生まれてきたときのこと

いわゆる難産というのはどういうものをさすのか、詳しくないのでわからないが、わたしが生まれてくるときはたいそう大変だったのだ、ということを言われて育った。 朝から始まった陣痛は夕方まで続き、それでも生まれてこないので、最終的に大きな掃除機のよ…

なしくずしの消化試合は続く

生きていたくない!と初めて思ったのはいつのことだったろうか。初めて自殺を決意したのはたぶん小学校の高学年の頃で、どうせ死ぬなら最後の晩餐だ、と家にあった厚切りベーコンにチーズをたくさんのせてパンと焼いて食べて、いつのまにかまた今度、という…

眠りたくない夜の夢

眠りたくない。 子どもの頃から寝付きがとても悪い。寝ようとして目を閉じていてもただ目を閉じて考え事をしているだけになってしまう。考えようとしていなくても、次から次へといろんなことを思い出していろんなことが気になってしまう。 目を開けていると…

人参のグラッセが嫌いだ。

人参のグラッセが嫌いだ。 家で食べるハンバーグには、やっぱり中濃ソースとケチャップを煮詰めたソースをかけたい。そして、人参を添えたい。 独り暮らしなのに、野菜の詰め放題にむきになって、食べきれない量の人参を抱えている。昨日は人参じゃが。今日…

存在、あるいは夢想

電車に乗ると、思ったよりもたくさんの人間が生き生きとしている。春休みの女子高生らしき少女は、ショートパンツを早くも素足に身に付けていて、その姿が謎の寒気に包まれているわたしを震えさせた。世界は春の訪れを受け入れている。薄手のアウター、ペー…

わたしという存在、インターネットにおける所在

わたしとTwitterの話 リプライでいただいたお言葉にはっとさせられて、少し自分について考えてみました。 わたしのメインアカウント(うつつのゆめみ)は、いまのアイコンでしばらく固定になっています。いまのアイコンは自分でアイコン用に描いた絵なのです…

森の中へ

イントゥ・ザ・ウッズを観て興奮のあまりあふれでた妄想をかたちにしておきたい。 わたしは童話やらの象徴的な解釈が大好きで、もちろん童話もおとぎ話も大好きなので、「童話のハッピーエンドのその後」というのに惹かれて手に取ったのだけど、正直言って前…

明日の明け方に あなたのために火をおこそう 朝から夜への別れのために 夜から朝が見渡せるように 小さな火しか点らないこの手にも あなたのために火をおこそう あなたが夜に迷わないように あなたが朝に辿り着けるように ながいながい夜の空を 凍えながら泳…

こばなし

日が落ちはじめた空は、あたたかく溶けるような色の光をまちに落とす。木も、家も、花も、道も、人も、その影を薄くのばしたぶんだけ、それぞれの色を空へ明け渡し、その光の色を享受している。ただ流れる川の水面だけが、その光を集めては放ち広げては仕舞…

明日の自分によろしく

一日ごとに自分が死んでは生まれていく気分になる。 わたしの人生には今日しかない。昨日の自分との連続性がないから、毎日、時間が進むということがわからないし、同じ日をずっとやり直している気分になる。でもそんなことはなくて、昨日の自分が食べてしま…

真面目な話情緒が未分化

一言で言えば情緒が未分化なのである! 高校一年生のとき、コスプレをやっている友達に付き合ってイベントに行ったら、コスプレ参加しているとある男性にやたら気に入られ、付き合ってほしいみたいなことを言われた。 わたしはそのとき、好意を持たれるのは…

結婚したら、貧乏でも楽しくやっていけるよね

人間のしあわせってなんだろう。 好きなタイプは年上で頭がよくて本を読む博識な物腰の柔らかい大人っぽい人です。 本当に好きな人とは結婚しない方がよいのだと聞いた。二番目に好きな男と結婚するのが女の幸せなのだと。 わたしは、解離っぽいのかなんなの…

鳩がつぶれて死んでいた

鳩がつぶれて死んでいた。もっと具体的に言えば、電線の真下にある道路の真ん中から少し右にずれた辺りで、頭を側溝側にして、左側を走ろうとするわたしに尾っぽを向けて、ぴくりとも動かない羽の塊が落ちていた。たぶん頭がつぶれていたようで、不自然にそ…

弱気になってはダメ、すべてはなんとかなるから、ポジティブになりなさい

すべての人がそう思うことで頑張れるならうつ病はない。この間のバイトの愚痴の少し続きになる。 まだまだうつが治らなくて、自然に笑えないし、うつと表現するのがいちばんてっとりばやい状態がまだ続いている。(うつの人ごめんなさい)バイトのシフトのこ…

今日のかきとめ

どうでもいいけど、編集画面をスマホで開いて直接書くと、とても書きづらい。スクロールが地獄なのだ。なのでわたしはいまこれをメールの作成画面でしこしこ入力している。どうでもいいけど。ついでに言えば大学のクーラーの恩恵を受けながら。よしもとばな…

うつとバイトと育った家と

うつがひどい。 うつになると、消えてなくなりたい気持ちと、もう頑張れないという気持ちがあって、それに対する自己否定(甘えとか、そういう)、頑張れない自分に対するいらだち、もうなにもかも無理だという諦めとか、いろいろでごちゃまぜになって、ただ…

生きていくために忘れること

ママに会いたいし、パパに会いたい。 ママもパパも大好きだけど、でも許せない。私の誕生日は九月で、その年の三月が両親の結婚記念日なのをつい最近知った。三杯めのビールで機嫌のよくなった祖父が「お前の父親は研究所に内定が決まっていたけれど、お前が…

わたしの昔のお城、今のわたし

中学生の頃、引きこもってて暇だったのもあって、ナノで二次創作サイトをやってたんですよね。自分の好きなキャラを自分と同じ精神状態にさせるのが好きで、それだけが楽しくて、拍手もらえて嬉しくて、すごくよかったんです。その頃に書いた小説にいくつか…